ああ、撤退の時に出会ってしまって。[まだ熱持つ頬に、軽く手の甲を当てて溜息を吐く]ディーク・ルーデン。いや、ディーク・フォン・ベルンシュタイン。これをくれたのは、あの人だ。……勘のいい人だったよね。やらかした、かも。[ポツリと付け足したのは、襲撃事件のことも知るソマリだったから。説明不足でこれだけでは足りなかったかもしれないが。こちらは往来で気楽に話せる部分ではなかった]