[机の引き出しの中には、ウェルシュからもらったフェルト人形。物語の最後にはやっつけられてしまう悪い狼だけど、ときには優しくて、ときには皆を笑わせて、ある心の優しい少年と仲良しだったという。人形も大切だけれど、作っていたときの熱心で楽しそうな横顔、聞かせてくれた物語、それが何よりも嬉しい。形のあるもの、形のないもの。たくさん貰ったいくつもの宝。一緒に食べたクッキーはもう影も形もないけれど、あの味は覚えている]