― 自室 ―
――!?
この声…、ロー・シェン殿か…?
[>>712城館全体をびりびりと揺さぶる咆吼に、思わず外の方に顔を向ける。
試験内容と鑑みて、随分と派手なもてなしをしているようだ。
養い子を心配していたタイミングだけに、顔色が変わる。
執行人であるロー・シェンの事は信頼しているが、アレクシスの身に何かあったかも知れないと、
扉に手をかけたところで、それはあっさり廊下側から開かれる。]
おかえりアレク!
[>>729開口一番、いつものように溜息をつく青年を躊躇うことなく抱き締めた。
廊下を行く使用人達が驚いた視線を寄こすが慣れたもので、小さく肩すくめる者、必死に笑いを堪える者、各人各様の反応を示した後すぐに仕事へと戻って行く。]