[士官学校での実技で培ったものが、剣交える度に確かなものになってゆく実感。
ジェフロイに稽古をつけてもらったことも、その後に同室者となったソマリと手合わせを行ったこともあるが。先輩であった3人、それぞれに学ぶものは大いにあった。
充実していた。互いに切磋琢磨した好敵手、同級生の友人らにも、何物にも変えがたいものを受け取った。]
[だが。
軍に所属し人を手にかけて初めて、実戦と稽古の差を思い知ってからは。
純粋に剣を振り、刃を叩き下ろすことの出来ていた頃の記憶は、眩しさと苦さばかりを連れてくる。]
―――、
[そしてまた、こんな風に戦場で、
敵軍に在る知己の名を耳にするたびに。*]