― 更に数分後・流血沙汰の教室 ―
[激痛に悲鳴を上げ、のたうち回りながらも、男は術の解除に成功し――…]
――…これは、酷いね…
[知識を扱うべく思考を巡らせ続けた為だろう、正しく現状を認識し、他人事のような感想を漏らした。
未だ残る鈍痛が、気を失うことを許さないのだが、今だけはそれに感謝をしつつ。
自分のものらしい大量の朱、自分で自分の首にナイフをあてがったという記憶は残っている――…その理由も。
前例のない事だったとはいえ、よほど錯乱していたのだろう。
その中で倒れる生徒の手には施術の痕跡。
混ぜ物をしながらも大量に自身の血を体に入れていたせいだろう、よほど相性がよかったのか、血に対する耐性ができかけていたようだ。]