(魔石を壊す余裕は、なかっただろうな)
[流石にそれをローに呟く気にはなれず、心中で、思考を巡らす]
(……中身を覗かれようと、俺たちについての情報は何も入力はされていない。
今後のイェンからの通信に警戒すればそれで済む。
だが――)
[仮面石の記憶部に保存された情報に、魔石は外部からアクセスし、もしくは自分の取り入れた情報を送信する形で相互に繋がっている。
イェンの石から、記憶部への接続を遮断すれば、不要な情報に接触される恐れはない。
……だが、魔石本体に、イェンが仮面石から取り入れた情報を保存していたら。]