[その衝撃から、およそ一年後。
進級に伴う、クラス替えを確認する為。
再び、張り出されたクラス名簿を追って――――固まった。]
………まさか、な。
[昔とは名字が変わった為、入れ替わった席順。
けれど幸か不幸か、読みが近い為に並んだ名前。
時間に余裕を持って登校したので、まだ閑散とした教室の指定された席に座り、本を開くこと数十分。
唐突に響いた、乱暴にドアを開ける音に教室内がざわめく。>>676
近付いてくる足音。
すぐ前の席で止まったそれに、本から顔を上げ。初めて近くで見る金色に、目を細め。]
――……いろり?
[呼びかけるように。ただの呟きのように。
問うように。確認するように。
気づくだろうか。気づいてくれるだろうか。]