ノトカー……緑に覆われた草原、燕が春を告げる、うるわしのシュヴァルベ。 夏は海で泳ぎながら、秋は草紅葉を踏み、長い冬は暖炉の前で語り明かした日々。そうして、死のように白く凍りついた冬の終わり、春一斉に萌えいずる草原をどこまでも友人達と馬で駆けた。[ 胸元を探る。いつの年だったか、バザールで探して見つけられなかったと話した金色の宝石を彼に貰った。そのペンダントは古びた鎖に繋がれて、今も制服のした、鎖骨の前に下がっている。 ]