シスター フリーデル

［　微笑みながらも、
　　心の何処かでは、痛いほど解っていた。

　　この子が、どんなに人間が好きでも、
　　共存を望んでも。
　　そんなお伽話のような楽園は、在りはしないと。

　　人間の方は、この子を”人狼”としか見ないだろう。
　　それに、いつかこの子も、
　　自分の血の衝動を、抑えられなくなるかもしれない。


　　　　　　”人間　”からこの子を護り、
　　　　　　必ずスレイプニアの薬を完成させなくては。
　　
　

　　　　　　　ああ、どうか……金狼の神様。
　　　　　　　世界と運命と人間の残酷さから。

　　　　　　　この子を、お守りください。
　　　　　　　その為なら、私は何でも致します。**］