― シュビト市街 港付近 ―
[青年、ルディと別れた後、男は私兵達の招集を掛け出した。既に市街の喧騒が収まっている。予想以上に迅速に、騒乱が収束していたのだ]
…血の臭いもなければ、想像以上の怪我人もいないときた。
これは、言葉を以って王府軍の先遣を制しでもしたのかな。
面白い。
だが今は彼らも私と会う余裕は無い事だろうな。
… … …。
全隊に告ぐ! これより我々はアレイゼル領へ帰還する!
際し、五十人は此処シュビトにて引き続き任務を続行。
薄汚い蝙蝠臭い動きを晒していた、スルジエの動きを綿密に洗い出せ。
他百人は、港に用意した船で先にアレイゼルへと渡る。
[民衆の避難誘導、学徒の中核人物、放棄した武装の管理。それらの任務を実行していた私兵達が、更新された任務に、港へと集まる。
五十人はこの街に留まり、スルジエが何をしていたかを調べだす事になる]