ならず者 ディーター

［水を飲みながら、ちらり、とオットーを見た。
これは「目の前の人間がいなくなったら酒を飲もう」と考えている人間の挙動だ。
…いや、待て。これはオレが出て行けばいいのでは？あ、温泉入るとでも言おう。

名案、と言わんばかりの表情を浮かべるのと、リーザの元気な挨拶>>487が聞こえたのはほぼ同時だったか。

宿屋に響き渡るような元気な声は、健常な人ならきっと気持ちがいいだろう。
──そうだ、例えば…二日酔いに苛まれていない人間とか。］

────ッ

も…もうそんな時間か……
あ、頭に響く…

［ヒュッと男の喉の奥が鳴って、椅子から数センチ飛び上がったあと、呻くように頭を押さえて項垂れた。］