― 教室 ―
[男は窓から外を眺めたまま――…深い深い溜息を。
やがて、何かを振り切るように首を振り、視線は客人を迎えていたテーブルへと注がれる。]
……ダーフィトの方もそろそろ終わったかな。
[使用人を呼びつければ、客人用の混ぜ物入りのティーカップと、自分用の混ぜ物なしのティーカップを下げさせ、新しいものを用意するように言いつけて……]
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[送り出した生徒へと、声無き声を送ってみる。声なき声の使い方は教えたことはなかったのだけど、そのことはすっかり忘れてしまっていた。]