……ベリアン先輩。[軍務大臣に同行していた、護衛役と思しき軍人。見間違う筈も無い、肌の色、印象的な紫の双眸。自分の記憶にある名を、本名かどうかはわからないまま呼んだ。相手も、すぐにこちらに気付いたようだった。当たり障りのない再会の挨拶をして、簡単に近況を報告し合ったのち、少し会話が途切れた。促されるまま、共にバルコニーへ出る。微妙な笑顔で何やら話し込むらしき外務大臣と軍務大臣は、しばらくそのままにしておいてよさそうだった]