[それからどのくらいたった頃か、公国におけるひとつの事件が報道される。トライブクラフト伯爵の暗殺未遂事件。伯爵は大公のもとで外務大臣を務め、和平推進派として知られている。先代クレメンス氏は、中立地帯「シュヴァルベ」の成立、および士官学校の設立にも大きく関わった人物。伯爵は私邸に戻る途中で襲撃されたが、同行していた三男・ステファン氏の活躍もあって幸い軽傷。尚、ステファン氏は意識不明の重態。公国軍士官であるステファン氏は、休暇で帰省していたところを――*]