[熱気に浮かされた民衆が勢いに乗ってシュビトを出て、王都に詰めかけるような事態は防ぐ事は出来たが、
シュビトには武装した自警団や武装した民がおり、自軍の将や兵らを失った事。
レオンハルトが見聞きした街の状況や、南部の貴族の率いる兵が妙な動きをした事。
ジェフロイの手の者が正規の軍に劣らぬ動きを見せ、明らかに素人のものではない動きをする者も混ざっていた事。
約を守って背後を襲う事も無く鎮圧軍を見送った事。
そうして首謀者たるクロード・ジェフロイがシュビトの要望を伝える為、面会を求めている事を告げる。
親征軍を率いる貴族達の中には要望を求める事に目くじらを立て、
兵を失わせた事や首謀者と巫女姫との取り次ぎを受け入れた事に関して叱責する者もいただろうか。
女は歯を食い縛ってじっと耐える。]