[労いの言葉を聞けば、部屋を辞す頃合いだとすっと立ち上がり>>711]
この度は、おもてなしまで戴き、勿体のう存じます。
どれも美味しく戴きました。
[主が茶や菓子に手をつけるのを見届けてから、供されたそれらは味わっていた。
どれも、上品で抑制のきいた甘味に仕上がっていた。薄めた血を口にすることには、すっかり慣れてきている]
[常の挙動を思い出しつつあった従僕は、普段の訓練の賜物を発揮し、隙のない丁重さで扉を押さえる]
――…『何か』、が。もし、形にならない時であっても。
また、拝謁をお赦し戴けますか?
マスター・アハド。
[戸口に立って最後、彼を振り返り、微かに揺らぐ声をそっと押し出す**]