[年の近い同性の学生が王女の傍に居ることは、彼女の留学生活にとって歓迎すべき環境だろう。だからタイガも、レトを歓迎した。イングリッドは隣国の王女だ。勿論、下心や打算を含んで近寄る者も多くいた。レトはそういう風に見えなかったが、それでも――…イングリッドが居ない時を見計らって、タイガは一度、レトに告げたことがある]