―――……っはは、甘い。[なんだかいつもの葡萄よりも甘味が増している気がする。顔を綻ばせ、窓の外を見やる。水平線の遥か彼方、薄らと島が見える。あれはカリコル島だろうか。それとももうアーレント島だろうか。もしアーレントに差し掛かったならば、暗礁地帯に気を付けねばならない。] おじさんは大丈夫かなぁ……[今頃何しているのだろう。もう、戦いの火のなかに飛び込んでいるのだろうか。]