―巡洋艦ヴァイスメーヴェ:船内―
[船内と言えど、ダイニングは案外しっかりとしている。
狭いながらも、木目調の床にテーブルがずらりと並べられており、白いクロスが掛けられている。
朝食の時間でもあったので、ダイニング内はそこそこ賑わっている。
そこでウェルシュはキッチンの人に、一言声を掛ける。
マーガリンを乗せたトーストと、ハムエッグ。―――それに葡萄。
>>0:84 そう、ゲオルグおじさんからのお土産だった。
なんだかんだ言って、食べる機会を失っており、つい此処まで持ってきてしまっていたのだ。]
いただきます。
[厚い皮を剥くことなく、そのまま口のなかに入れる。
芳醇な葡萄の香りとともに、瑞々しい果汁が口内へと広がる。
上品な甘さが喉もとへと通っていく。]