─道中─
[玲緒と二人で日の沈んで太陽の下とはまた違った風情のある街中を歩く。
喫茶店にあてがあるようなので、あたしが歩くのは玲緒より半歩後ろ。
うっかりはぐれてしまわないように距離は取らない。]
…そういえばそうねぇ。
[>>0:112>>641周りがあたし達の事をどう見ているかは知らないけど、あたしは玲緒に親しげに話しかけたりしない。
あたし達はライバルであって、友達じゃないから。
腕試しの機会だって、対峙する時以外は言葉も交わさないし。
勿論、依頼の時は目の前の事象に全力投球だ。
こんな風に玲緒と一緒に過ごすのなんて、それこそ因縁がある事に気付いていなかったあの頃くらいだ。
あれからずっと、あたし達は向かい合っても互いの手は届かない距離のまま。]