仕立て屋 エルナ

　―回想/３年前―

[教会より、新しいシスターがこの村にやってきたから、修道服を作ってほしい、と依頼されたのは、約３年前のことであった。

そのシスターは、見つかった時は酷い状態だったそうだ。>>128
身体はもちろんのこと、精神的にも参っていたのか、その様子を見ていた人曰く、しばらくは正気でないことも多かったという。>>148 >>149 >>150

結果、なんとか一命は取り留めたが、その身体には傷跡と後遺症が残り、特に右足の自由が利かないようだった。>>146

そこで、なるべく傷口の残る肌が目立たないよう、そして彼女の身体でも無理なく着られるよう、特別な設計の、彼女だけのオーダーメイドを、何着かこしらえたのだ。

そして、衣装の贈り物には、修道士らしく、お守り代わりの、布で作ったアクセサリーを添えて。
そこには、ささやかながら、エルナから大変な思いをしたシスターへ、神のご加護がありますように、という願いが込められているのだった。*]