[その夜、少女の部屋の扉の鍵は開いていた。そっと開いた扉の向こうに少女は待っていた。静かに窓辺に寄り添って終わらない風花を眺めていた。神父の居た最果ての村について少女は何も聞いた事は無い。何を隠しているのか少女は知らない。ただ、長い間傍らに居た少女は彼が暗く冷たい過去を抱いているのを感じていた。ずっと、長い間夢を見ていた。神父と優しくて幸せな残酷な夢。]いつか夢なんて醒めちゃうのにね。人と人ならざるものが一緒になるなんて無理だったんだね。