― 市街地・北 ―
[振り切った先、少し開けた場所だろうか。
小柄な橙色と、金色が見えた。その向こうには大佐の姿も。
金色が誰か、背後からでは分からない。剣を突きつけているのは見えたが、それでも自分は構わない]
嫌いなものからは、どんな動物でも逃げるもの。
馬、お嫌いでしたよね。
[スゥと息を吸い込んで、勢い良く馬の腹を蹴った。
足音も高く、状況を整理することもなく、勢いつけて小柄な二つの影に向かい、馬を走らせる。
これだけでどうにか出来るとは思っていない。ただ状況を動かすことを考える。標的を、追い込むために]