四年前、退学になった後、故郷に帰って畑でも耕そうかと思っていたところ、モーリッツ先生に声をかけてもらってな。
モーリッツ先生の妻として家柄で弾かれていた、アカデミーに入学させて戴いたのだ。入学金も出していただいて、本当に感謝している。
『優秀な学生の力になるのは、教師の義務ジャ』
といって、給料稼げるようになっても全然お金を受け取ってもらえないから困ったものだ。
私には後ろ盾が何もなかった。学問を修めようと思ったら、ここの門を叩くくらいしか手段がなかったし、金も寮に住めない程度になかったからな。内職をしながらじゃないと生活もままならない感じだったからなあ…。
それで、皆にとっての5年の秋にアカデミーに入り、7年の秋に卒業した。――うん、スキップして2年で卒業した。