[“契約”を捧げられるのは、生涯に一人だけ。護れるのは、唯一人、だけ……。“勇気と誇りをかけて護る” その意味を持つ左の耳朶、オズとレジーナが大切にしていた、薄赤の輝きに、そっと触れる。まだ捧げられていない、誓いと守護の力を想う。守護の力は、まだ己の身の裡にある。それを――…彼に捧げることを、赦されるだろうか…。護れるのは唯一人だけ…護りたくても、護れない人達を想い、悔しさと申し訳なさに、唇を噛んで、ぎゅっと瞼を瞑った]