─ 道中 ─
[亜梨沙からの了承の返事はあっただろうか。
それ次第で目的地は変わるが、それでも陽が沈んだ京の町を歩く事は変らない]
今更だけど、随分今日は一緒にいるね。
[並んで歩いていたかどうかは判らないけれど、それでも傍にいるのは事実。
“友達になって”
出会った日、そう告げて手を伸ばしたのは、自分から。
それを許してくれなかったのは、自分の祖父。亜梨沙も家からきっと何か言われたのだろうけれど。
そんな風に許されなかった距離を、今日は随分と許されている気がした。
だからそれが嬉しくて、緩んだ感情のままに表情を綻ばせた]