[咄嗟に踏み出した脚は、寄り添う影に掬われ、傾ぐ身体ごと搦めとられる>>675柔らかく巻きつく、抗うことを許さぬ力] ―――…嫌、行かないで…っ[夫の気を削ぐまいと思うのに、喉を突き上げ迸る懇願。強張る身を繋ぎ留める影、一度は突き放しかけた腕で闇を掻き抱く] 私なら大丈夫、だから――ルートの処へ行って![…どうか護って、と囁く声音に震えが混じる]