― 執務室・出撃前 ―
[シュヴァルベにミヒャエルが配属されるということは
たった今、手にしている書面に記されていたから、
その顔をみて驚くということはなかった]
デンプヴォルフ大尉、来てくれたのか。
貴官が赴任してきてくれたこと、頼もしく思う。
伯父上や祖父が暗殺された時は、君にも大変世話になった。
君達のような優秀な防諜部員が調べても、証拠が出ないということは、
相手がそれほど優秀だったということだ。
それに、そもそも暗殺を防ぎきれなかったのは、我々の失態だ……。
……過去の話をしても仕方ないな。
我々が、目を向けないといけないのは、現在そして未来だ。
まずは、現在進行している活動を、ニコラス中佐のほうから説明を。
[ニコラスからは「狼」についての情報がミヒャエルに齎される]