[そうして―――…古の聖なる契約の力で、護り手となった銀狼の、最後の純血種>>68だった母と、その契約と心を捧げた相手だった、実の父を想う。人間だった父の血を半分引く私は、純粋な守護の銀狼よりも力弱いけれど、母から伝えられた、聖なる契約の力を、持つのは識っている。その契約を、己の身の裡に置く間は。誰にも誓いを捧げていない間は、少数の例外を除いて、一般的な人狼からは、護られていることも。契約を捧げた後には、自身の身の加護は、なくなることも]