理想を求めて既存の平和を否定するのは、これまでも歴史にある。戦を起こしてきた人々が必ず口にすることだ。己の理想以外を認めないのは、狂信でしかない。[ 小さく呟いた後、兵士たちにシロウが連行されれば見送って、ディークの側へと近付いた。 ]この件、一般兵士たちにどのように通達しますか。……大公を暗殺された報復のため、雪辱の戦いという大義が失われては、彼らの士気にも関わる……。いえ、それだけでなく。迷ってしまうでしょう。己の、心の闇に。*