――回想:5年前の夏のあるパーティ―― ………………くだらん、な……。[豪華な場にそぐわぬ溜息が零れる。元より、華美なものは好きではない。煌びやかで、見てくれは豪華だが、実が薄く、虚言だらけの世界。こんなところ、自分が求めたものとは全然違うのに。なぜ、こんなただ中に置かれてしまったのか。求めるのは、やはり、温かな空間。懐かしの場所。]