[ドタバタと部屋を出て行く幾人かの気配。
ギシ、とベッドが軋む音にちらりと顔を上げれば、炉がいて。>>672
よくもやってくれたな、という恨みを込めて睨みつける。]
……うるせぇぜよ。
変なのはしょうがないだろ、痛々しいとか言うな。
[その提案は有難いが、舌先を見せる表情も今は小憎らしい。
鼻で笑われ、ふい、と顔を背けてシーツに突っ伏した。
いくら空手部だったからといって、同じ体格の相手に胃とも軽々抱えられ放り投げられれば、面白くない。
自分も鍛えようか、とぐだぐだ考えている間に、何やらごそごそと風呂の支度をしている音が途切れ。
静かになったな、と思った矢先。
ずしり、と背中が重くなった。>>673]