[脱衣所から出てきたカナンは、腰に
ちなみに、これがマチュザレム基準の入浴スタイルであり、湯の中にもタオルをつけたままで入るのだ。
湯上がりの際には身体を拭うために外して絞るが、それ以外は装着保持が礼儀と心得ている。
北方人であるカナンの肌は日に灼けても色が沈着せず、透けるように白い。
痩せぎすではなく、うっすらと筋肉に脂の乗った肢体は鍛錬を怠っていないことを示すかのよう。
その右下腹部には、治癒した刃傷痕があった。
戦傷ではなく、虫垂炎手術の痕だが、そうとわかる者はナミュールには多くはいるまい。
誰も止めなければ、かけ湯してそのまま湯に入ろうかと。**]