[一歩王都から出れば、就寝するまで白銀の甲冑を外す事はない。甲冑を着ていれば、シルエットは隠せるが身長は誤魔化せない。行動を見て貰えば、決して男に引けを取らぬと知れよう。だから結果的に女とばれても構わないと、そう思っていた。]――よく訓練を重ねているようだ。きっと指導が行き届いているのでしょう。[道中、兵を連れて道案内をする赤毛の若者にそう声を掛ける。兵の練度、そして監督者を評価する声色は、僅かに温もりを持ったものとして聞こえたかもしれない。]