― 巡洋艦ヴァイスメーヴェ ―
え、そう、……そうなのか。
[>>668 タクマは優しい男だ。然し、嘘や諂いをあまり言う男ではない。だからこそ、その真摯な言葉にはウェルシュは面食らったし、それ以上に嬉しくも恥ずかしくもあった。]
あ、有難う…… うん、分かった。
僕も皆の力になれるよう、色々考えてみるよ。
[鮮やかなコバルトブルーの海を切り裂くようにして、巨船は突き進む。
白い水飛沫を散らし、船が通ったあとは帯状の白い泡を生んでいく。
遠くの海で、小さめの鯨が顔を覗かせている。
明け方の日差しは柔らかく、少し肌寒い海風が二人を撫ぜている。]
僕は朝食を貰いに中に入るよ。
その後は、船の様子を見に回ろうかな。
タクマさんはどうする?
[そう言って、ウェルシュは少し冷えた己の肩を抱いた。
もし彼がまだ甲板に残るようなら、一人で船内に戻っただろうし。勿論、まだ此処で彼と会話を続けても構わない。**]