……暗号、あったっけ。[思い出して、小さく笑う。隣部屋のソマリとカークには、消灯後のやり取りで世話になった。例えば窓を叩く。2度なら開けろ。早く3度ならやばい。ゆっくりと2度なら、部屋を通らせて欲しい───ルームメイトが鍵を開けずにウッカリ爆睡してしまうと、締め出し防止のために隣の部屋を通過させて貰うことがあった───など。それに加えて、習いたての信号を組み合わせた]