― 砂漠の町 ―[安全な場所へ。怪我の治療をできるところへ。そう望んで飛んだのは、人のいない乾いた町だった。最初に現れた宮殿にたどり着かなかったのは、そこが"安全な場所"ではないと無意識に判断したためか。]―――家や店があるなら、なにか手に入るか…。[左腕からはいまだ血が滴り続けている。腹に受けた打撲も、思ったよりも重い。気を抜けば崩れそうになる体を支えて、町をさまよう。]