― 帝国拠点の准将さんのひざの上の隠密わんこ ―[ブラッシングされたり撫でられたり、甘やかしてくれるひとのひざの上。隠密わんこたちの中で一番年少でまだ子犬に近い柴十郎が、のんびりとくつろいでいたが。人間には聞こえない音をその耳が拾い、ぴくりと頭をあげた。リエヴルを振り切り走り去る先は、公国の拠点。………ただし、一番年少で一番足が遅い為、柴十郎がたどり着く前に用事を済ましていた他の隠密わんこに回収されたのだが]