― リオレ島/旗艦ヴァンダーファルケ ―
カルボナードからの通達が?
[それがゲオルグの手元に届けられたのは、リオレ島について間もなくのこと。諸侯へと向けたシコン陥落の報、それにシコン領奪回への嗾けといえるほどの布告>>506に目を通す男の眉が寄せられた。]
生死問わず…、か。
そりゃまあ、そうだろうが。
[それでも捕らえよとかなんとか言えなかったのか。
相変わらずといった感想を胸のうちに仕舞いこみ、息をつく。
分かってはいるのだ。例え生きて捕らえられ裁きにかけられたとしても、彼女の罪は許されはすまい。
シコンの背信により直接死んだ者、また逃れられずに死んだものまで含めれば、その数1000は優に下らぬだろう。同胞に対する決して赦されざる背信というべきだった。]