― 礼拝堂 ―[黒狼《ヴォルフ》の体に剣突き立てたまま、崩れ落ちるジークムント。その顔の白さに、胸に痛みが差す。去りゆく間際、彼の唇に浮かんだ笑みにも、同様に。] ――― また。[空間を跳ぶまえに唇に乗せた言葉は、彼の耳に届いたか。ほんのりと浮かんだ笑みは無意識の産物。なぜ、こんな―――浮かんだ疑問は、なにかの力によって押し込められた。]