【見】 イベントコンシェルジュ ルージュ

　――　狼月の村・村の南の船着き場　――
　
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今日も対岸を、カルデラ湖の向こうを見ている。

風が吹いてさざ波が湖面を揺らす。

図書館の本で読んだ海の水は、ずっと大きな波を打つらしい。


――――遠くへ行きたい。

この村を離れて、湖の向こうの街も越えて、ずっとずっと遠いどこかへ。

そんなことばかり考えている私は、顔の表情もどこか遠くを向いたまま、なんて言われて。


『すまし顔のルージュ』
なんて村人たちからは呼ばれている。
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