― 少し前・宿屋へ向かう道すがら ―[天候の不変を感じ取った村人はオットーだけでは無かった。表を出歩く人物は、その時己以外にはおらず。屋外の暗さも相まってか、男の姿は闇と半ば同化しかけていた。商店街を抜けて歩く男は急いで屋台をたたむ店主を通り抜け。その時分、一人の少年(実際には少年では無いようだが)がこちらを見ている事に気付いた>>604]………。[じっとこちらを見るふたつの目を暫し見返す。暗さもあり、目が合っているとはあちらは知らぬ事だろうが]