[同種を助けて欲しいと、他力に縋る心算もない。
闇の眷属たる彼の性質を鑑みれば、そもそも筋違いだろう。
余所事のごとく肩を竦める姿が、的外れの推量ではないらしいと裏づける>>650
首を断たれた騎士が、此方へと向き直る。欠く筈の眸にじとりと凝視された気がして、悪寒が這う]
ルート…、
[数を増す幽馬を見据え、夫の首筋に絡めた腕に力を篭める。
けれど、騎士の邪揄を聞き咎めたのか、縋る腕はふわりと解かれて]
―――だめっ、ルート!
逃げて――……!
[音なく地へ降り立つや否や、闇の欠片が拡がり身を包む]