― もう諦めて帰ろうかと思ったぐらいで ―
[探し人の声>>601がした]
…ええ、滞在の……その、報告をしようと。
[「貴方を探してましたんですよ」という言葉は言外に]
…言伝は無理でした。
[役場のことなのだ、相手は知っているだろうに報告をしつつ。
持ってきていた包みを押し付ける]
土産…です。
[土産の中身は遠方の村で買った蒸留酒。
酒がどうという理由ではなく、凝った作りの瓶が面白いという事で買ったものらしい。舌に合うかどうかなどまでは考えていなかったようだが……
その場では、渡したものに関して「土産です」の一言だけしか説明しなかった。
そして、引き止められることがなければ、話は終わったとばかりにその場を後にしようとするだろう]