[遠目からだと中性的な人だが、こうして近くで肌に触れればその柔らかさや線の細さから、性別は同じなのだと知れた。剣の稽古などの武術訓練に励んでいる彼女の姿は、学館で時折見かけた。女性だが、自分と違って武器を構える人なのだ]………、あの時。こちらを見ていましたよね。[失敗作の包帯を解きながら。作業に掛かる時間の間を埋めるように置いた雑談。あの時、というのは先日のクロードとの議論のこと。視線があったと思った矢先、彼女は目礼して立ち去った>>218]