― 回想:5年前・ベルサリス学館 ―[その日は医術の授業だった。内容はごく初歩的なもの。二人一組になって、包帯を巻く実技実習を行うという其れで、組んだのがフィオンだった]……、う、… え と、 こう…?[何度も首を傾げつつ、慣れない仕草で、キールは借りたフィオンの腕に包帯を巻く。巻き方を試行錯誤しすぎたせいか、周りの生徒と比べると、どうも二回り半くらい出来が分厚い]あの、ごめんなさい……。[さぞ腕が窮屈だろうと、謝罪の言葉が口を零れる]