[心中はどうあれ、軍の指揮官らしく形式に則った挨拶と労いをトールが二人に向けたなら、それに倣い目礼した。]
(変わんねーな。センセ。)
[その、捉え所のない口ぶりだけは。
……否、変わって見えるものもある。
声だけでは知ることが出来なかったが、顔を合わせたことでそれと知れた。
記憶よりもどこか仄暗い瞳は、
あの学び舎では見ることのなかった色、だ。
それは戦場に身を置く故か、それとも。
教え子の口調に戻ったトールと彼らとの会話、そして配属が告げ渡される中、口を開くことが許されるまでは、シロウとカサンドラを不躾なほどに注視することになる*]