[いや、縁がない代物ではないです。
むしろ人一倍縁がある。
研究所にいた頃にも何度となく刺されていたし、
今も病院から離れられない身だから、年に何度となく、ぶすー、っとやられていますとも。
トラウマとかそういう繊細なものではなくて、
注射は、なんかこう、苦手なのだ。
ナイフで切りあいになろうと、銃弾で体に穴が開こうと比較的けろっとしてるのに、何言ってやがる、というようなものだが、
苦手なものは苦手だから仕方ない。
ぴゃっと手近なコクーンの中に飛び込んで身を隠す。
後ろ髪の尻尾が、外にぷらーんと見えているのは気付かない。
けれどやっぱり、無事な顔は見たいものだから、]
……血が要るの?
[ちょっと青い顔をしつつ、結局は顔を出し、
もし協力を求められたら、腕を出すだろう。]*