[ベッドに横になろうとその縁に手をかける。一度、試しに腕だけでベッドによじ登ろうとして床に倒れ、ガタンと大きな音をたてれば諦めたようにドール、と一言呼んだ] ...[ドールにその体を持ち上げられ、ベッドに横になる。この作業はドール以外には王子とギィにしかさせたことはなかった。本当は身の回りのことをドールにはやらせたくないのだがそれ以上にこの行為を毎回誰かに頼むのが憚られて窓辺、荒れる空を見上げる。まるで自らの心のようだと思った。]