[5年生の終わりに、卒業パーティで見た打ち上げ花火を思い出す。
帝国と公国、ふたつの国の技術から生み出された、人を楽しませるための花。
この学校が生み出すものが、そうであるといい。
学生のうちにぶつかり合うことがあっても、互いが互いをより深く理解できればいい。
異質なものが出会い、混じり合った先に生まれるものが、人々の笑顔であること。
それはけして叶わぬ願いではないはずだ。
――以前より不例が噂されていた皇帝が、崩御したとの報せが入ったのは、7年の秋。
生徒会長に就任して、間もなくの頃だった*]